買換えの特例とは
居住用財産を譲渡し、その年の前年、その年又はその翌年中に代わりの居住用財産を取得し、取得した年の翌年末までに住んだ場合は、他の特例の適用を受けないときに限り、次のように譲渡所得を計算します。
●譲渡資産の収入金額≦買換資産の取得価額のとき、譲渡はなかったものとされ、将来売却するときまで税金は繰り延べられます。
●譲渡資産の収入金額>買換資産の取得価額のとき、越える部分について長期譲渡所得として課税されます。(100万円の特別控除はありません)
居住用財産の買換えの特例には次の(1)〜(3)があります。
(1)特定の居住用財産の買換え
(平成13年1月1日から平成15年12月31日までの特例です)
1.譲渡をした年の1月1日で所有期間が10年超であること
2.居住期間が10年以上であること
3.購入する住宅の床面積は50u以上280u以下で、土地の面積は500u以下であること
4.マンションに住み替える場合は、築後25年以内のものであること
5.譲渡資産も買換資産もともに国内にあること
6.売る相手が配偶者や直系血族など特別関係者でないこと
7.3,000万円の特別控除等他の特例を受けないこと
(2)相続等により取得の居住用財産の買換え
1.譲渡する居住用財産は父母又は祖父母が居住していたもので、これらの者から相続又は遺贈により取得した次のものです。
(ア)父母又は祖父母が相続のときまで住んでいたもの
(イ)相続後建て替えた場合には、建て替えた家も含まれます。(ただし所有期間は建て替え後の期間となります)
(ウ)建て替えにより借地権を取得したときは、その借地権も含まれます。
(エ)相続後、土地区画整理事業等による換地処分などで取得した家屋や土地も含まれます。
2.譲渡者が、その家屋のある場所に30年以上住んでいること
3.譲渡資産は3,000万円特別控除の対象となる資産のうち、譲渡した年の1月1日において所有期間が家屋、敷地ともに10年を超えるもの(所有期間は父母又は祖父母の所有期間も加えます)
4.譲渡資産も買換資産もともに国内にあること
5.売る相手が配偶者や直系血族など特別関係者でないこと
6.3,000万円の特別控除等他の特例を受けないこと
(3)居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の繰越控除
(平成10年1月1日から平成15年12月31日までの間の譲渡に適用)
住宅ローンが残っている居住用財産を譲渡して損失が生じ、かつ、代わりの居住者用財産をローンで購入したときにおいて、次に掲げる要件のすべてに該当する場合には、その損失のうち一定の金額を、その年の翌年以後3年間の所得金額から控除することができます。ただし、家屋とともに譲渡した敷地のうち、500uを越える部分に相当する損失の金額は繰越控除できません。
要件
1.所有期間が5年を超え、かつ、ローンの返済が終了していない居住用財産の譲渡であること
2.譲渡の年、又はその翌年中に代わりの居住用財産をローンで取得し、その年の翌年末までに住むこと
3.売る相手が、配偶者や直系血族など特別関係者でないこと
4.控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下で、年末に買換資産のローンが残っていること
5.買換資産の床面積が50u以上であること
6..前年又は前々年に、3,000万円特別控除等他の特例を受けていないこと
■平成11年分以降はこの譲渡損失の繰越控除は住宅ローン税額控除と併用できますが、住宅取得資金等の贈与の特例は重複して受けられません。
■繰越控除される譲渡損失とは、譲渡所得の金額の計算上生じた損失のうち、他の所得と通算してもなお控除しきれない金額です。
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