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縦書きでも横書きでもよく、
特に法律に定めはありません。
「遺言書」とか「遺言状」などという標題は、特別つけなくてもかまいません。
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用紙も特別定めはありません。便箋・原稿用紙など、字が書けるものなら何でも良いのですが、ある程度保存に耐える紙が望ましいでしょう。
筆記用具も、改ざんされるおそれがない、
筆・万年筆・ボールペンなど、何でもかまいません。鉛筆は望ましくありません。
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日本語でも外国語でも、旧仮名づかい・旧漢字・当て字でもかまいません.
判読可能であれば、文字の種類は問いません。しかし、正確に読みやすく書いておくべきです。
なお、金額・土地の地番など重要な数字は「壱、
弐、参・・・、拾」などの多角数字を使った方がよろしいでしょう。
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封筒に入れて封印しておくようにしてください。
封印しておくと、遺言者の死亡後遺族は勝手に封を切れませんし、遺族は、家庭裁判所へ持参して、開封の手続きをとらなければなりません。遺言内容の変造を防止できますし、内容も秘密にできます。
封筒に入れず、むきだしのままでも有効ですが、トラブルのもとになります。
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遺言が一枚の用紙で終わらず、数枚になるときは、一枚ずつ契印(前後のページにわたって一つ印を押すこと)しておきます。
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【自筆証書遺言見本(実物は自筆でなければなりません)】
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遺言状
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遺言者織田博之は下記の通り遺言する。
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第一条 |
遺言者の長男織田孝明に第二条記載の不動産物件を除く遺言者の全財産を遺贈する。
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第二条 |
妹の相馬真紀には、次の土地と家を遺贈する。
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(一) |
大阪府大阪市中京区丹波○丁目○番○号
宅地 九参・弐四平方メートル
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(二) |
同所同番地
家屋番号 弐番
木造瓦葺平屋建居宅
床面積壱参八・五壱平方メートル
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第三条 |
遺言執行者として、大阪府大阪市東区○丁目○番地
弁護士石黒光一を指定する。
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平成十三年十月二十一日
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大阪府大阪市中京区丹波○丁目○番○号
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織田博之 印
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自筆証書遺言書加除訂正の注意
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自筆証書遺言は、内容を加除訂正する場合には、厳格なルールがあります。
これは、遺言者がただ一人で作成から保管までおこなうことができ、偽造・変造の危険にさらされているからです。
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訂正箇所に二本線を引き、訂正前の字が読めるようにして、その上に訂正する字を書きます。
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訂正箇所に押印する。この印は自署の後に押印した印と同じものでなければなりません。
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遺言の末尾か変更場所の欄外に「拾行目五字目のあと参字加入」などと変更した場所を記し、その記載のあとに氏名を自署します。
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加除訂正個所が多いときは、訂正印の押し忘れがあったり、紙面が汚れて読みにくくなりますので、書き直すようにしてください。 |
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秘密証書遺言の作り方
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ワープロなどで記載されたものでもよく、自筆でなくともかまいません。日付の記載は必ずしも必要ありませんが、入れておいた方がよろしいでしょう。内容の訂正は自筆証書遺言の場合と同じです。
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署名は必ずしなければなりません。印は実印でも認印でもかまいませんが実印の方がよろしいでしょう。
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封印は遺言に使用した印と必ず同じ印を使ってください。使用する封筒は特別なものではなく、市販されている封筒でもかまいません。
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公証人に提出するときには、証人2人以上の立ち会いが必要です。 |
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公証人は、受け取った日付と遺言者の氏名および住所を封紙に記載します。その封紙に遺言者と証人が署名します。その後その封紙を封筒に貼ることになります。
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秘密証書遺言は、公証人が遺言書を封印した後からの関与です。そのため、いかなる人にも中身を知られる心配はありません。公証人役場には、遺言をしたことだけが記録され、その内容の記録は一切残りません。
ところが問題は、遺言の中身について公証人の検証を受けていないため、内容の有効無効の確認ができません。結果的には内容が無効になる可能性もあります。
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【秘密証書遺言の封紙】 |
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平成十五年第△△△号 |
秘密証書遺言 |
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遺言者織田博之は本職塚原浩一郎および証人
堤浩二、同桂祐一の面前にこの封書を提出し、これは自己の遺言であって、大阪府大阪市伏見区信楽○丁目○番○号稲葉浩一が筆記したことを申述した。
平成十四年十一月十日
当職役場において |
大阪府大阪市東区七丁目○丁目○番○号 |
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大阪法務局所属 |
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公証人 塚原 浩一郎 |
印 |
大阪府大阪市東区香里○丁目○番○号 |
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遺言者 織田 博之 |
印 |
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上の者を本職その氏名を知らず面識がないので、法定の印鑑証明書により人違いでないことを証明させた。 |
大阪府大阪市下京区芦原○丁目○番○号 |
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証人 堤 浩二 |
印 |
大阪府大阪市中島区三条○丁目○番○号 |
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証人 桂
祐一 |
印 |
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公正証書遺言の作り方 |
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相続財産の目録、配分内容を検討しておく。弁護士などと相談して内容を決めるとよろしいでしょう。 |
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料金は全国どこでも一律ですから、お近くの公証人役場を選んでください。 |
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証人は2人以上。ただし、欠格者は証人になることはできません。 |
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事前に資料をもって公証人役場を訪ね、遺言内容を打ち合わせしておくとスムーズにすすみます。正式な日時はその時に決めるようにします。 |
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遺言者は口述し、公証人が筆記します。その場所に証人2人以上が立ち会います。事前打ち合わせをしっかりしておけば、公証人はあらかじめその内容を筆記しておいてくれます。 |
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公証人は内容を、遺言者・証人に読み聞かせます。 |
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遺言者と証人は遺言に署名・押印します。この場合の印は、遺言者は実印、証人は認印でもよろしいです。最後に、公証人が署名押印します。なお、もし遺言者が署名できないときは、公証人がその旨を記載して署名に代えることができます。また、遺言者が病気などで公証人役場まで行くことができないときは、公証人が病院や自宅に出張してくれます。 |
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【公正証書遺言の記載例】 |
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平成十五年第△△△号 |
遺産分割協議書 |
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本職は遺言者織田博之の嘱託により、証人
竹下晴夫
同桂祐一の立ち会いの上、下記の遺言の趣旨の口述を筆記しこの証書を作成する。 |
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一、 |
遺言者織田博之は遺言者の所有する下記財産を遺言者の長男織田孝明に相続させる。 |
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(一) |
大阪府大阪市下京区芦原○丁目○番○号
宅地 参弐壱・四弐平方メートルの土地 |
(二) |
同所同番地所在
家屋番号弐番
木造瓦葺平屋建居住
床面積 壱参八・弐六平方メートルの建物 |
(三) |
関西新星銀行芦原駅前支店にある織田博之名義の定期預金および普通預金全額 |
(四) |
大阪プロダクション株式会社の株式参拾五万株 |
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二、 |
遺言者は、左記不動産を遺言者の次男織田隆司に相続させる。 |
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大阪府大阪市中島区三条○丁目○番○号
宅地 弐四参・七九平方メートルの土地 |
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三、 |
この遺言の執行者として、大阪府大阪市東区香里○丁目○番○号
弁護士 竹下晴夫を指定する。 |
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大阪府大阪市下京区芦原○丁目○番○号
無職 遺言者 織田博之
大正 壱弐年六月六日生 |
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下の者は、本職氏名を知らず面識がないので法定の印鑑証明書によりその人違いでないことを証明させた。 |
大阪府大阪市東区香里○丁目○番○号
弁護士 証人 竹下晴夫
昭和四参年八月七日生 |
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大阪府大阪市千種区下町○丁目○番○号
会社員 証人 桂祐一
昭和五壱年参月八日生 |
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上遺言者および証人に読み聞かせたところ、各自筆記の正確なことを承認し、下にそれぞれ署名捺印する。 |
遺言者 |
石塚 純一 |
印 |
証人 |
竹下 晴夫 |
印 |
証人 |
桂 祐一 |
印 |
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この証書は、民法第九六九条第一号ないし第四号の方式により作成し、同条第五号に基づき、本職下に署名捺印する。 |
大阪府大阪市東区香里○丁目○番○号
大阪法務局所属 |
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公証人 塚原 浩一郎 |
印 |
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【証人・立会人になれない者】
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欠 格 者
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欠 格 理 由
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未成年者 |
証人・立会人たり得る十分な能力がないため。法定代理人の同意を得ても、証人・立会人になることはできない。
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禁治産者および準禁治産者 |
証人・立会人たり得る十分な能力がないため。
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推定相続人・受遺者およびその配偶者ならびに直系血族 |
利害関係を有するため、証人・立会人には不適当。遺言者の配偶者や長男などは証人になれません。また、長男の嫁など、推定相続人の配偶者も欠格者とされます。
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公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および雇人 |
公証人の勢力下にある者は、証人・立会人には不適当です。遺言者とはもちろん、公証人とも関係のない第三者でなければいけません。
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